松屋銀座で3月に行われた創業140周年記念企画展
「美しく生きる
中原淳一展〜愛する心〜」のレポを書きたいと思います。

中原淳一と聞けば、「respect」意外の言葉は思いあたりません。
子供の頃穴のあくほど見た彼の画集は、今も嫁入り道具として大切に手元にあります。
もともとは母の本で、物心つく頃から家の本棚にあり、それを見てはウットリため息をつき、次にはだんだん描いてみたくなり、いきなり描くのは無理だろうからトレーシングペーパーで写してみる事を思いつきました。
子供の頃の遊びといえば、一見活発な私は外でとびまわる事もしてましたが、家でお姫様の絵を描くという遊びもやってました。
友達と一緒にいろいろなお姫様を描いたり、『銀河鉄道999』のメーテルの絵をトレーシングペーパーで写したり、まんが雑誌『りぼん』に連載されている主人公を描いたり、とにかく
奇麗な女の人を描く又は、奇麗なドレスを描くという事に必死になっていました。(女の子ならみんなやっていると思っていたその遊びですが、実際は意外とやっていないらしい・・)
自然と服のディテール、ギャザーの描き方、陰のつけ方、手足の描き方などスタイル画に必要な知識を身につける事ができました。その時は全然知識と思ってないし、何の役にもたたないと思っていたけどね・・


写真・左
会場のちらしと売っていたグッズ

(はんかち.マグカップ.ティッシュ入れ)
写真・右
私の持っている本

お姫様好きにはたまらない「七人のお姫様」中原淳一の全てがつまってる「中原淳一画集」中原淳一の服や小物を実際に作ってみようという手作りの本「ひまわり工房」


勉強もせずそんな事ばかりしている私に、おばあちゃんは「また!お人形さんの絵ばかり描いて!!」

と、怒っていました。


しかし、将来的にはその事で認められたり、賞をもらったり、仕事になったりするので、何が正しくて何が間違っているのか?って事は大人は分かってないと思って下さい。
まあ、大正生まれのおばあちゃんにお人形さんの絵が仕事になるとは想像つかないんでしょうね・・
そういえば清志郎が言ってましたが、「親は平凡な自分の子供に才能があるなんて思わないから、それ(才能)を止めようとする親は多い。」と、いうような事をインタビューで言っていました。
会場の絵はお見せできないので、私の持っている本から↓
写真・左
「七人のお姫様」の「雪姫」このドレスがめちゃくちゃ好き。
自分のウエディングドレスを考えた時のデザインベースにもなっている。
写真・右
画集の最後に載っている「蝶々婦人」の挿絵


まずは、若い頃に作った人形の展示などがあり、次には雑誌の表紙やスタイル画、物語の挿絵など、私が持っている

「中原淳一画集」

の中の絵の原画がずら〜と並んでいました。
私が本の中(いわゆる印刷)でしか見た事のない絵の生原画ですよ



「凄い事じゃないですか

」

ペンの動きや運び、色の出し方や塗り方など細かい所までじっくり見る。
また、展示とあわせて詩や文章なども展示してありました。
そして、実際に中原淳一がデザインした服の再現。かわいい小さな白い襟、かっちりしたパフ・スリーブ、ウエストマークされたギャザーフレアースカート。
小花柄やギンガムチェックのスカートやワンピース。
『あ〜。最近またこうゆうのリバイバルされているなぁ・・』と古さを感じないその服に感心しつつ・・。中原淳一の服と言えば、綿!ってイメージですが、『この時代って合繊が無かったのか、綿やウールの服しかデザインされてないなぁ・・』とか、思いながら見る。
↓スタイルブックというポストカード


中原淳一は部屋のインテリアも描いているのですが、インテリアと言っても戦後まもない頃なので、「三畳の部屋をどうかわいく使うか?」みたいなものなんです。
その絵がとってもかわいくて好きで、パッチワークのこたつカバーとか、壁にタペストリーを飾ってあったり、小さな本棚の上を小物でアレンジしてあったり、手作りカバーが掛けてあったり、狭くてもこんなにかわいくできるんだ!と希望のもてるコーディネートがしてあります。
そして、そして、びっくりしたのが、「夢の机」という家具の実物の展示です。
ミシンがしまえたりアイロン台がついているので作業台としての役割、普通に食事をしたりするテーブルとしての役割、ミニドレッサーとしての役割、本が置けたり、引き出しもついていて、まさにそれ一つで日常の全てができる

「夢の机」

その絵が画集にも載っていました。
見ているだけで、ワクワクするようなその机なんですが、その実物がどどーん!と置いてありました。!!(#゚Д゚)
さわりたくてしょうがなかったのですが、さわってはNGなので、じっくり見ては我慢。(笑)
実際目にするとかなり大きい。人が6人くらい座れそうです。白くペンキで塗ってあります。
「これが・・あれか・・」と思いながら、夢の机を堪能させて頂きました。

写真・左
しそ焼酎のパッケージ(中原淳一を知らない夫が偶然にもお酒売り場で見つけて買って来た。「かわいい絵のお酒あったよ〜」とか言って・・)
写真・右
淳一デザインの浴衣。最近になってけっこう話題になってますが、これはかなり前に(私が中学の頃かな??)母が生地を買ってくれ作ってくれた。よく夏祭りに着てます。
(写真は今現在)(^ ^;)ゞ


後、淳一デザインのフェルトで作ったフレアースカートも印象に残りました。
かわいいアップリケが沢山してあって、昔撮影用に作ったものの再現だそうです。
ほうきのカバーやクッションカバーやスリッパなんかも実際に作って展示してありました。
雑誌についていた付録なんかも見る事ができたり、小物のデザインもしていてかわいいものばかり。こんなのあったら欲しい〜!と思いました。
中原淳一はファッションのスタイル画やイラストでその後のアーティストやデザイナーに大きな影響を与える偉大な先生のような存在だと思います。
戦後まもない生きていくのが精一杯の時代に「美しく生きる」という事を提案していたという事。
部屋も服装もだらしなくするのは簡単です。でも、美しいものは無条件に良いという事です。私はこの考えがごく普通の人達にも浸透していけば良いな〜と思いました。
長くなりましたが、最後に娘、中原すみれさんの言葉です。
芸術も子育ても農作業もすべて心です。いつも大人は子供に心を伝えなければならないと思います。造ろうとする対象に愛を持って、心をこめて接すれば、きっと素晴らしいものが生まれます。父はそう教えてくれています。

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